計画とプロセス


  「計画を立ててください」とお願いすると大雑把な作業項目と日付しかでてこないことがあります。
  「線」を引くことが計画を立てることだと思っている人もいるようです。
  これは入社して2〜3年の社員の話ではないのです。

  いったい、「計画」とは何でしょうか。何かの仕事をするときに「計画を立てろ」と言われますが、
 いったい何を考え形にすれば「計画」を立てたことになるのでしょうか。マネジメント・システムでは
 「計画」が重要だと言われます。「計画」がなければ、その仕事をうまく進めることはできませんし、
 何よりその仕事がうまくいったのか、終了後の結果と比較し評価する基準がなくなってしまいます。

  さて、何かを成そうとするとき、まずどういう結果、あるいは成果が出たら”成した”と言えるので
 しょうか。仕事を始める前にまずそれを考えると思います。「計画」の第一歩もそこから始まるの
 ではないでしょうか。
  仕事の最終成果がはっきりしたら、次に何を考えますか?
  そうですね。その成果を得るためにはどういう手順を踏み、各々のステップでどのような作業を
 する必要があるかを考えます。当然、そこで作成される中間成果物も考えることになります。
  成果物や作業が明確になったら、次はその作業を遂行するための役割や体制を考えます。「あ
 たま数」が揃えば遂行できるというようなものは少ないので、各々の作業にはどのようなスキルが
 必要で、そこで使用する技術、ツールは何かも合わせて考える必要があります。
  役割・体制およびスキル等が明確になったら、実際に誰をアサインするか、現実と向き合うこと
 になります。必要な態勢と現実とのギャップがそこで浮き彫りにされることになります。例えば、ス
 キルの不足をどう補うか。トレーニングを実施するか、あるいは外部からスキルのある人を調達
 してくるか。設備や施設の問題もあるでしょう。
  それらを全部考えて初めて日程(スケジュール)と費用が出てきます。
  さらに、作業の質や成果物の質をより確かなものとするための目標やその達成度を確認する
 ための指標と水準値、確認するタイミング(マイルストーン)なども定めておきます。
  このように書いていくと「当たり前じゃないか」という声が聞こえてきそうですね。

  仕事を行うときには「プロセスが重要だ」という声を耳にします。「結果だけでなくその過程であ
 るプロセスも大切である」という言葉もよく聞こえてきます。
  「プロセス」とは単なる手順ではありません。プロセスとは成果物を含む、実施される”仕事”の
 全体像であると私は考えています。

 

  上図は私が在席したことのあるJamesmartin(現Headstrong)でよく用いられるプロセスの概
 念図です。プロセスは6つの要素からなることを示しています。仕事の全体像がプロセスで表さ
 れると考えると、「計画」は、その要素を的確に反映したものであると考えることができます。
  「計画」を考える時に、この概念図で表されるフレームワークを参考にすることをお薦めします。
 
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