BSEとものの質


 
 アメリカ産牛肉の輸入再開が決まりました。
 今日から店頭に並ぶようです。
 ここで直接アメリカ産牛肉の質の問題を論じるつもりはありませんが、「ものの質」との関連
で少し思うところがあるので、書いてみようと思います。
 アメリカ産牛肉が危ないと言うつもりもありませんが、根本的なことが欠けているので不安
が拭い去れないでいます。
 その「根本的なこと」とは何か。
 それは「人の意識」です。
 アメリカの人たちは、輸出先のことだけでなく自分たちの問題としてもBSEをあまり問題視し
ていないように思います。軽く見ていると言ってもよいでしょう。ニュースなどを見ている限りで
は、「たいした問題ではない」とか「多少危険部位が混じっても大丈夫だ」という風に思ってい
るのではないかと感じてしまいます。
 いくら検査の仕組みが整っても、BSEはたいした問題ではないという意識の下で、それらは
有効に機能するのでしょうか。
 BSEの潜伏期間は長く、発症したときには何が原因でそうなったかわからないという可能性
があります。問題となるのはそれこそ20年後、30年後のことであり、かならず感染し発症す
るということはないようなので、危険であるという意識も低くなるのかも知れません。
 いずれにせよ、アメリカの酪農家を初め、加工業者、検査をする人、すべての人々がBSE
の危険性を意識しない限り、ちゃんとした作業、ちゃんとした管理、そしてちゃんとした検査な
ど、望むべくもないように思います。

 これはBSE問題に限ったことではなく、「ものの質」を維持・向上することにおける根本的問
題です。
 すべてのマネジメントシステム、いやすべての「仕組み」において言えることだと考えます。
 なぜならば、それらは人が作り、人が動かしているからです。
 「ものの質」は精神論で何とかなるものではありません。しかし、「ものの質」というものに真
剣に取り組んで、「少しでも良いものを」という意識、「不具合を絶対出さない」いう意識があっ
て初めて、定めた「仕組み」が機能し始めるのです。

 
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