アメリカでは教育効果を測るための指標として「カークパトリックモデル」という指標が一般
的になっているそうです。
アメリカの企業に学習効果の測定について聞くと必ずといっていいほどこのモデルのどの
レベルまで効果を測っていると答えるほど浸透しているそうです。
そこで今回はその指標の概要をご紹介したいと思います。

●レベル1 研修出席者の満足度
その研修が意義のあるものであったか否か、受講者が満足できるレベルであったか
●レベル2 コンピタンシーの習得度
実際に受講して受講者がその研修の目的する知識技能を修得できたか
●レベル3 行動変容の持続力
その研修の結果身に付けたスキルが業務遂行に役立ったか否か、あるいはその業務
に対する受講者の姿勢が変わったか否か
●レベル4 業績へのインパクト
研修の結果が最終的にビジネスにどれだけ貢献できたか
レベル1と2は個別の研修の結果を見ることで判断できるかも知れません。しかし、レベル
3とレベル4の段階になると、複数の研修や業務経験、その他の要因が関連してくるので、
単純には評価できないと考えられます。
少なくとも、各々の研修の目的を明確にし、それらがどのような形で業務やビジネス全体
に関係していくのか予め考えておかねばこのような評価はできないと思われます。
自分達のビジネスを遂行するにはどのようなスキル(知識・技術)が必要であり、それらを
どのタイミングで、どのような形で社員に身に付けさせるのか。その辺をまず考えるところか
ら研修は始まるのかも知れません。
よく何でも「OJTで!」という企業がありますが、OJTのやり方はきちんと考えられてい
るでしょうか。OJTの名の下に、何のビジョンも目的も示さず、漫然と社員に仕事をさせて
はいないでしょうか。今回のカークパトリック・モデルの話からは少しそれてしまいましたが、
研修の目的や位置づけをまず明確にしないと「評価」はありえないと言うことです。
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